出口のない海 ★ [movie ★]
<2006年:日本>
戦争映画のカテゴリーに一応入る映画なわけですが、戦闘という意味で他国の軍艦と戦うシーンはほとんどありません。
なので、いわゆるスペクタルな撮影シーン(戦闘シーン)はありません。
狭い潜水艦の中で爆雷を受けるシーンや、もっと狭い回天の中での訓練シーンぐらいしか戦争に結びつくところはありません。
あとはどちらかという「のどか」な位です。
主人公(ピッチャー)が明らかに本格的な野球経験者ではない(投げ方が悪い)のが観ていてつらいです。
最後に事故から数ヶ月経って台風で浮上してきた回天を開けた時、中の搭乗員がまるで生きているかのような姿をしているのが異様です。
回天での戦果はほとんどあげられなかったと言われており、事実を知れば知るほど悲しみが増す兵器です。
戦争を舞台にしたファンタジー映画でも作ろうとしたのか?と思わせるような柔らかい映像表現も含め、これほどリアリズムのない戦争映画の描き方では、この物語の悲惨さや回天を作った日本の愚かさ・恐ろしさ、命を投げ出した若者悲しみが全く表現されていないと思います。
人間魚雷回天―命の尊さを語りかける、南溟の海に散った若者たちの真実
- 作者:
- 出版社/メーカー: ザメディアジョン
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 大型本
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